温かさとやさしさの医療を
皆さん。明けましておめでとうございます。良い新年をお迎えのこととお喜び申し上げます。
さて昨年は、当院に最新のX線撮影装置及びX線コンピューター断層撮影装置(16列マルチスライスCT)を導入しました。この新しいX線CTは認知症、さらにそのベースにある内科系疾患の診断・治療に有効なツールとなります。CTは脳萎縮、脳出血、脳梗塞、硬膜外出血などの頭蓋内病変、さらには肺疾患、腹部疾患、骨折などの診断と対応がより早く正確に可能になります。
さらに超音波(エコー)検査装置も導入しています。超音波(エコー)検査は循環器、甲状腺、腹部、さらには軟部組織の診断に有用な情報を与えてくれますし、中心静脈カテーテル挿入にも有力な装置となります。また心エコーは心機能の評価や弁膜症、肥大など器質的心疾患の有無が手に取るように分かります。終末期状態における心機能と循環血液量との関係もよく把握でき、輸液量算定の目安も可能になります。
上記の医療機器はいずれも、PACS(picture archiving and communication system: 画像保存管理システム)と電子カルテ連携により即座に情報アクセスが可能となり、X線フィルムを運ぶ必要もありません。検査後、すぐに患者様やご家族への病状説明が行うことができるため、スピーディーな診療が可能です。つまり、カルテや画像診断の電子化は、医療従事者間における、正確かつ、素早い情報伝達・共有を可能とし、質の高い医療提供体制に大きく貢献しています。
一方で、医療サービスはいくらよい機器を導入しても労働集約サービスであることに変わりはありません。特に認知症の患者様には皆さんの心のこもる温かい手による触れ合い、何にも増して心のこもった声かけが必要です。温かさとやさしさに価値を置く医療に心がけることにより、医療の質をあげること、病院の価値を高めてゆくことが出来ると信じています。
東員病院では時代の変化に柔軟に対応し、最新のシステムを駆使しつつ、「温かさとやさしさの医療」を念頭に置きながら本年も頑張っていきたいと考えています。
どうぞ本年が皆さんにとりましても、病院にとりましても飛躍ある年になりますよう心よりお祈り申し上げ、新年の挨拶とさせていただきます。
院長 山内 一信