三重県員弁郡の東員病院･認知症疾患医療センターは精神科･神経科･内科を専門とし、附属施設と連携し、認知症高齢者の医療、看護、介護の向上に取り組んでいます。

精神科作業療法では一人ひとりの症状や、その人や家族が生活を送っていく上で困っていることに対して「何かをする」という体験を通して症状の安定を目指すことや、生活の支援などを行っています。
当院では気分が落ち着かない、集中できない、不安、他の人とうまく交流が出来ないなど、こころ（脳）に対して働きかけ、一人ひとりのニーズに合わせた作業を提供できるよう努めています。

個人プログラム

作業療法室や畑など
活動内容に合わせた場所で
実施しています

趣味や職業歴などを参考に、
その人らしさを尊重して、
一人ひとりに合った目標の設定、
プログラムの提供・実施をしています。
様々な活動（手工芸・園芸・ハーブ栽培・アロマテラピー・化粧・将棋など）を楽しみながら行う中で、小集団で活動することでの安心感・対人交流技能の向上・退院後の生活を想定し、役割や余暇時間の活用方法の提案など一人ひとりに合わせた目標を達成することを目指します。

集団プログラム

多くの方が集まる病棟ルームで
実施しています

日にちや時間・季節などを確認するリアリティーオリエンテーション（現実見当識訓練）、基礎体力の維持・心身機能の低下予防・他者との交流を目的とした体操、音楽、創作活動やレクリエーションを組み合わせてプログラムを実施しています。

認知症病棟では、理学療法士・作業療法士、看護師、サポートスタッフなどの病棟スタッフが一丸となって患者さまにリハビリテーションを行っています。

生活機能の維持・向上(身体機能・認知機能・日常生活動作機能・残存機能など)、症状の軽減(精神症状・周辺症状など)といった目的を持ち、個別リハビリテーション、集団作業療法、レクリエーション、日常生活における介助や訓練を実施しています。
また、生活機能回復訓練を行っていく際、生活をしていく上で必要な能力や機能の維持・向上を目指すだけではなく、「その人らしさ」を大切にすることで情緒の安定や生活リズムの安定などにつなげ日常生活を円滑に送れるようになることで社会へ回復していくことを目指しています。

認知症患者リハビリテーションとは、認知症の行動・心理症状の改善及び認知機能や社会生活機能の回復を目的として、作業療法、学習訓練療法、運動療法等を組み合わせて個々の症例に応じて行うものです。

当院では、入院後早期より精神科作業療法、生活機能回復訓練に加え、身体的リハビリテーション(運動療法・物理療法)を中心とした認知症患者リハビリテーションを実施しています。　入院後、生活環境の変化に伴う身体的能力の低下を防止し、早期退院促進するため、入院時の身体的能力を維持・改善することを目的に実施しています。

訪問リハビリテーションでは、住み慣れた自宅などに直接理学療法士が訪問し、生活に即した動作訓練や歩き慣れた道での歩行訓練など、一人ひとりの在宅生活に合わせたプログラムを実施しています。また、日々の生活を助ける福祉用具の提案や介護に対する相談への助言なども行っています。