新年のご挨拶

2021.01.04

「コロナ禍を乗り越え希望の年を迎えよう」

新年あけましておめでとうございます。昨年末はコロナ禍に見舞われ、患者様およびご家族の皆様、さらにはスタッフの皆様には大変ご迷惑をおかけいたしました。しかしスタッフ全員の献身的な診療・看護・ケアにより何とか終息状態にもって行くことができました。精神的にも肉体的にも大きなご負担をおかけしたと思います。医療に従事する者の使命とは言え、必死に頑張っていただきました。厚く御礼申し上げます。

さて今年は2021年、新たな出発を致したいと思います。ただコロナ感染症は世界的にも国内でも一向に収まる気配はなく、ただならぬ様相を呈しています。従いまして当面はコロナとの闘いになります。そのためには5つのことをお願いしたいと思います。

一番目は、やはりコロナ感染症を防衛することにあります。私たち医療者は三密を避け、手洗い(手指消毒)、マスク着用をしっかり励行することだと思います。勿論、診療・看護・ケア上、必要な場合は手袋、ガウンなど必要に応じて装着は必要です。このような防衛対処を励行すれば確実に感染を防ぐことができることと思います。

二番目には自分たちの健康に気をつけることです。業務にてご負担がかかることは充分理解できます。睡眠、行動パターン、生活様式など、細心の注意を払い、健康状態を保ってください。

三番目は、本来は第一にあげるべき事ですが、診療・看護・ケア、さらには医療に伴うもろもろのサービスに手抜かりをしないことです。ついつい手順を省いたり、言葉が激しくなったり、荒くなったりしまいがちになります。医療・看護の基本を着実に実行し、医療者としての矜持と信念を絶対に忘れないことと思います。

四番目はデジタルトランスフォメイション(DX)に慣れ、大いにIT機器を活用することです。ITを最大限に活用した診療を行うことにより無駄な動きや手順を省き、能率をあげることができます。IT上の画像・映像はそれなりに洗練され、情報共有も現実的になっております。大いに活用すべきでありましょう。

五番目には危機の時こそ変革の時であると言われております。BCP(business continuity plan)と言う概念があります。健康の回復と維持を使命とする医療機関は社会を成り立たせる重要な社会資本の一翼を担うもので、どのような危機でもその機能を永続させ、社会的責任を果たす必要があります。私たちの病院は、今までは地震、台風、火災などの天変地異には注目して、今まで大過なく過ごしてきましたが、コロナ感染症のようなパンデミックをおこす感染に対しては必ずしも盤石とはいえません。感染脅威に対して強い病院にする必要があります。

このように大きな課題や難問もありますが、これらの難問や苦難を乗り越えてこの2021年への第一歩を踏み出していきたいと思います。私たちの使命はいかなる苦難があろうとも、あくまでも医療の遂行です。一致団結してこの使命を達成するべく頑張ってゆきましょう。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

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東員病院・認知症疾患医療センター 院長 山内 一信